「交趾の技法」が彩る、料理を纏う京のうつわ
京都市東山区に暖簾を掲げる「thé to thé -てとて-」は、ただ美味しい料理を提供するだけでなく、その料理を一層輝かせるうつわにも深いこだわりを持っています。私たちは、オーナーである伊藤南山が京都の情景を想い描き、一つひとつ丁寧に手掛けた特別な器でお客様をお迎えしています。
当店のうつわの特徴は、その色鮮やかで上品な色調と、淡いパステル系の色合いです。これらは「交趾(こうち)の技法」という伝統的な手法を用いて生み出されます。交趾の技法とは、口金のついた筒に白泥を入れて絞り出し、まるでケーキのデコレーションのように素地に美しい文様を描き出す、非常に繊細な技術です。この手法によって、器の表面には立体的な模様が浮かび上がり、光の当たり方で様々な表情を見せてくれます。
この独特の技法で生まれた器は、料理を単なる食材の組み合わせではなく、まるで一幅の絵画のように演出します。例えば、瑞々しい旬の魚介を使ったカルパッチョは、鮮やかな色彩の器の上でさらに引き立ち、お客様の目を楽しませます。また、滋味深いトリュフ蕎麦も、器の奥ゆかしい輝きと相まって、より一層豊かな味わいを醸し出すでしょう。
シンプルで落ち着いた店内で、カラフルな器が料理と調和し、上品で華やかな雰囲気を演出。「thé to thé -てとて-」でしか味わえない、料理と器が織りなす繊細な美の世界を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。